2011年4月29日金曜日

千足伸行『交響する美術』

千足伸行
1940年、東京生まれ。東京大学文学部卒。
TBS(東京放送)を経て国立西洋美術館に勤務。
1970~72年、西ドイツ(当時)政府給費留学生としてドイツに留学。
ミュンヘン大学で主にドイツ・ルネサンス美術を学ぶ。
帰国後、西洋美術館に復帰。
1979年、同館を辞し、成城大学文芸学部に勤務、
2011年3月まで、同大学文芸学部教授。
専門分野はヨーロッパの近代美術、とりわけ世紀末を中心とする各国の美術。
また、西洋美術関係の展覧会の企画、監修にも多数携わっている。

こんな素晴らしい方の成城大学教授退官記念出版『交響する美術』(小学館)の
装丁の依頼をいただきました。

とても有名な方で、西洋美術界への貢献度は計り知れません。

どのような装丁にするか、、、、。
全然悩みませんでした。

本文の内容は、20本のテキストは過去の140余の展覧会カタログに執筆したものから
選ばれている。もちろん今回のためにリライトをしています。
この本文自体が「交響」しているので、
装丁は、本文の「交響」をグラフィックで表そうと思いました。
手法は違えど、表すものは中と外で同じにしたかった。

結果、このようなデザインになりました。

外箱 背
外箱 表1
カバー 背
カバー 表1

表紙 背
表紙 表1

みなさんのご意見は様々だと思いますが、
自分としては、かなり満足できる仕上りです。

浪人中、365日、毎日デッサンと幾何構成を繰り返していたときに
培ったものが滲み出ている気がします。
体の奥深くに染み込んでいる造形バランスを、
迷うこと無く発揮できたので気持ちいいです。
若い頃に手に入れたものは、去っていかないのですね。
自然体で呼吸すると、私のテイストはこんな感じで現れるのだということを、
認識しました。

普段の仕事はなかなかそれができない。
もちろんそれは悪いことではなく、日々の成長を与えてくれます。
いずれ、それも自然体の呼吸に取り入れていければ幸せです。

この案件を私に依頼して下さり、デザインに多大な理解を示していただいた
小学館の清水芳郎さんに感謝です。

8,500円と高価な本ですが、素晴らしい内容です。
是非、書店でお手に取ってみて下さい。

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